Rivianが廃電池を蓄電池と資源に分ける 回収から再生までの新しい設計

Rivianが廃電池を蓄電池と資源に分ける 回収から再生までの新しい設計のイメージ

ニュースの概要

米EVメーカーのRivianと電池リサイクル企業のRedwood Materialsが、電池の循環に向けた協業を広げた。Rivianの米国内のサービス拠点で出た使用済みバッテリーパックをRedwoodが引き取り、状態が良ければ定置型の蓄電システム向けに再生する。再利用が難しいものは、薬液で金属を溶かし出す湿式冶金という方法で資源として回収する。さらにRivianのイリノイ州ノーマル工場で出る製造時の端材も処理の対象に入る。電池を作る段階から役目を終える段階までを一社の取引でつなぐ点が、今回の協業の特徴である。

引用元: RivianとRedwood Materials、EV電池の循環型ライフサイクル協業を拡大(Auto Connected Car News)

分析・見解

製造の端材から廃電池までを一本の流れにした意味

これまでの電池リサイクルは、事故車や寿命を迎えた車から出る電池を後追いで処理する形が中心だった。今回の協業は、工場で出る端材と、サービス拠点で出る廃パックの両方を同じ相手に流す。入口が二つになると、処理量が安定する。量が読めれば、リサイクル側は設備投資の計画を立てやすくなる。

端材は成分が揃っていて、金属の回収効率が高い。つまり端材は、リサイクル工場の稼働を支える安定した収入源になる。一方、市場に出た廃パックは劣化の度合いも型番もばらつく。両者を組み合わせることで、採算の揺れをならせる。

再利用か資源回収かを分ける診断が収益を決める

戻ってきた電池は、すぐに溶かすのが得とは限らない。容量が残っていれば、蓄電システムとして二度目の仕事ができる。日産が2010年代にリーフの中古電池を街灯や定置用に回した例のように、再利用は昔から試されてきた。ただ、診断に手間がかかり、新品電池の値下がりにも押されて広がらなかった。

今回のポイントは、診断と振り分けを回収側の事業者が一括して担うことだ。再利用に回せば、金属を取り出す前に電力設備としての価値を一度得られる。診断のコストを、扱う量の多さで薄められるかが勝負になる。

湿式冶金は電池を丸ごと資源に戻す手段になる

湿式冶金とは、薬液を使ってリチウムやニッケル、コバルトなどを溶かし出す方法である。高温で溶かす方式より、エネルギーを抑えやすいとされる。電池の中身を細かく砕いたあと、金属ごとに分けて取り出し、再び電池材料に戻せる。

Redwoodは創業者がテスラ元幹部のJ.B.ストローベル氏で、すでに材料の再生まで手がける。回収した金属を同じ顧客の次の電池に使う形ができれば、海外の鉱山への依存を下げられる。

日本の自動車産業が見るべき点は回収網の作り方にある

技術そのものより見習うべきは、サービス網を回収網として使う発想だ。Rivianは販売後の整備拠点を持つため、電池が戻る場所が決まっている。回収費用の大半は輸送にかかる。拠点が固まっていれば、費用を抑えやすい。

日本でも、販売店や整備工場の網は広い。ただ、電池の所有者や責任の所在が曖昧だと、回収は進まない。欧州の電池規則が求める電池パスポート(=電池の履歴を記した電子的な身分証)のような仕組みが、診断を速くする土台になる。

ビジネスへの影響

電池を持つ事業者は出口の契約を先に決める

蓄電池や電動車を大量に扱う企業は、買った時点で廃棄時の引き取り先を決めておくとよい。出口が決まっていないと、劣化した電池が倉庫に残り、保管や保険の費用がふくらむ。契約には、引き取りの条件、診断の基準、再利用に回した場合の収益の分け方を入れておくと後で揉めにくい。

整備網や物流網を持つ会社には新しい役割が生まれる

整備工場、販売店、運送会社は、電池の回収拠点として価値を持つ。危険物としての保管許可、輸送の資格、診断機器の整備は先行投資になるが、回収量がまとまれば長期の取引につながる。自社に拠点が少ない場合は、地域の事業者で共同回収の仕組みを作る手もある。

再生材の使い道を需要側から決めておく

電池メーカーや蓄電設備の導入側は、再生材や再利用電池を受け入れる基準を早めに作ると有利になる。品質の見極めが難しい間は、定置用など負荷の穏やかな用途から試すのが現実的である。購入条件に再生材の比率や履歴の開示を盛り込めば、取引先の準備も進む。

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